27歳中間管理職がお金のことを学び、実践するブログ

社会人5年目。そろそろ給料が入ればギリギリまで使い倒す生活に終止符を…!30歳までの独立を目指し、経済的基盤を作るべくお金について学び、実践します。

プロ野球選手になりきれない高校球児を、日本球界としてどう「オトナ」にしていくか問題

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僕はプロ野球が大好きだが、高校野球があまり好きではなかった。

理由はいくつかあるが、一番大きいのは「普段の学校(あるいはそれに類するコミュニティ)での振る舞いが、一度グラウンドに出れば"この夏で一番清く美しいもの"というフィルターによって全て帳消しになる」ということ。

この"目の前の現実""世間の描く像"との間に存在する理不尽なギャップに、どちらかと言えばいわゆる「陰キャ」カテゴリに属していた僕が、割りを食うことも多かったように思う。

 

もちろん、全ての高校球児がそうであるとは言わないし、むしろほとんどの学生が、礼儀正しい品行方正なナイスガイだと思っている。

けれど、皆さんも自らが過ごした高校時代を思い返せば、人一倍ヤンチャをするヤツ(ら)が皆一様に丸坊主だった、という経験はあるだろう。

 

でも、それも基本的には「若気の至り」という言葉で丸く収めてやってもいいのかな、と最近思えるようになってきた。

僕も、まもなく27歳。18歳で高校を卒業して約9年が経つことになるが、ヤンチャだった同級生の坊主頭たちの大半は立派に仕事をし、結婚して家庭を持っているヤツもいる。

そうやって、大学生を経由して社会人になり、良い意味での勢いはそのままに社会に順応していく姿を、同じ世代としてリアルに見てきたからかもしれない。

 

ただ、「全員が全員そこにたどり着けるわけではない」という事実もまた、僕らの前に突如現れては、色々と考えさせるのである。

 

 

先月、突如千葉ロッテマリーンズから「引退」という形での退団が発表された、大嶺翔太元選手。

そして昨日、読売ジャイアンツから契約を解除され、退団することとなった柿澤貴裕元選手。

両者とも、理由は「プライベートでの借金問題」だったという。

 

ある日ドラフト会議で指名されてプロ野球になり、「契約金」と称された数千万円のお金と、我々平凡なサラリーマンが定年まで勤め上げても手の届かなさそうな月収が、自分の手元に入ってくる。

 

こんな状況が、18歳の高校球児に舞い込んできたとして、「自制して計画的に使う」なんていうことが出来るだろうか?

僕にはその自信がないし、奇しくも今回の二人は、揃って高校から直接、プロ野球の門を叩いていた。(どれだけの因果関係があるかはわからないが)

 

周りの大人がどれだけ本気になれるか

では、誰がそのマインドを教え、動機づけをし、支援するのか。

やはり周りの自律した大人たちだろう。

 

その模範的な一人として、ファイターズの栗山監督がすぐに連想される。

 

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ファイターズファン、いや野球ファンのみならず、部下を持つ全ての社会人の必読書だと確信する本書に、若手選手とお金についての記述がある。

 

しかし、プロ野球選手のほとんどは若い。ファイターズでは、お金とその対応、引退後の人生設計など、専門家に講師を依頼し、レクチャーを行っている。お金は大事に使いなさいとか、引退したらこういうお金が必要になるからいっぺんに使ってはいけないとか、基本的なことだが、若い選手が経済の知識を知ることは大切なことだ。

ー栗山英樹『育てる力 栗山英樹『論語と算盤』の教え』P.85

 

もちろん、このような取り組みは全球団合同の新人研修でやっているだろうし、各球団でも行っていることだろう。

しかし、我々一般人にも経験のあることだが、外部の講師にされた良い話も、たいていは数日や数週間経てば、すっかり頭から抜け落ちてしまっているものである。

それよりも大事なのは、より近い距離にいる周りの大人達がいかに本気で、日常の中で教えていくか、ではないだろうか。

 

私は、選手たちがお金に翻弄されず生きて欲しいと思う。

私が若手に、「知らない誰かに奢られて得意にならず、飯くらい自分でかっこ良く食え。そのために稼ぐんだろ」と言うと、選手たちは「もちろんです!」と返事をする。しかし、人は弱く、施されることに慣れると正しい金銭感覚を失ってしまう。そうしたリスクを負わず、野球だけに邁進して欲しい。

ー栗山英樹『育てる力 栗山英樹『論語と算盤』の教え』P.86

 

さらに、栗山監督はこう続けている。

 

自分で稼いだ金で、自分が美味しいと思うものを食べる。自分や家族の精神的な安定のためにお金を使って欲しい。

ー栗山英樹『育てる力 栗山英樹『論語と算盤』の教え』P.86

 

残念ながら、今回の二人が退団に至るまでの行動は、この哲学から逸していたものだったように思う。

 

ちなみに、栗山監督が現・メジャーリーグエンゼルスの大谷翔平選手に課した、外出を完全許可性にする「大谷ルール」は、実は大谷選手本人を御するためではなく、大谷選手を連れ出そうとする"周りの大人"を制限するためのルールだった、とも本書に書かれている。

世界を代表する選手にならんとする素材を引き受けた身として、栗山監督が考えに考え抜いた施策だったのだろう。

その結果は、皆さんご存知の通り。大谷選手はメジャーリーグ球団の押しも押されもせぬ主力選手として、全世界から大きな注目を浴びる活躍を見せている。

 

 

こういった問題が起こったとき、責めるべくは個人ではなく、組織や仕組みの在り方だ。

今後、世界中の人々、とりわけ日本の野球が好きな全ての子供たちに夢を与える立場のプロ野球選手を、どうやって正しい金銭感覚を持った「オトナ」にしていくか。

今回の件は、日本球界に対して大きな問題を提起した。

 

我々一般人が今回の件から教訓にすべきこと

今回の記事では、「プロ野球選手とお金」について取り上げたが、我々一般人も「正しいお金の使い方を学ぶ」という点では、やはり大いに行う必要がある。

ただ、その内容はプロ野球選手とは若干違って、「(宝くじが当たった!といった稀なケースを覗いて)限られた収入の中で、いかに自己実現をし、幸せを手にするか」という観点での「お金の使い方」を学ぶ必要があるだろう。

 

では、そのことについて、周りに正しい知識やマインドを本気で教えてくれて、動機づけしてくれる人はいるだろうか?

居ればこの上ない幸運だが、居なければ……自分で学ぶしかない。

 

対岸の火事がこちらに燃え広がってくる前に、今回の件を教訓として、今一度「自分とお金」について考えてみるのも良いのではないか。

大嶺元選手は、僕と同い年。とても「他人事」では片付けられない。